Which is first?
保育の入所基準
①1ヶ月64時間以上の就労を常態としている
②妊娠中か出産間際前後の状態(約2か月)
③疾病・障害(精神障害含む)
④同居の親族又は長期入院等をしている親族を常時介護・看護している
⑤災害復旧
⑥継続的な求職活動を行っている
⑦学校教育法に規定する学校等に在学、職業能力開発促進法に規定する職業訓練を受けている
⑧上記に準ずる状態のために保育が必要
*優先順位は上記の順列に比例する
1.京都の現状
他府県と比較した場合は、待機児童率は低いとなっている。
しかし、それは単純に所在する保育所の受入数と希望数の兼ね合い上の話であり、希望する園に必ずしも入所できる余裕があるわけではない。
となると…必然的に点数の高い家庭が優先的に希望の園に入所することとなる。
地区によっては、通園に20分もかかるケースもある。通園時間を理由に入所を拒み、再度、入所待機をしても、それは待機児童のカウントには含まれない。
また、取り急ぎ、入所できる園に入所し、転園希望を出している場合も、兄弟枠ではない場合、点数は-5点の減点となる。
まだまだ、希望の園に入所できる現実には遠いのかもしれない。
2.働く環境
希望園の選考にかかった場合、夫婦共々、標準時間、そして遠距離通勤者が、優位となる。
育休復帰をするならば、慣らし保育が済み次第、標準時間で利用契約を希望するほうが、入所の優先順位は当たり前だが高くなる。
しかし、労働基準法上では短時間勤務を要求することは可能である。
可能ではあるが、のんびり育休など取っていれば、激戦区ではまず、希望の園になど入所はできない。ましてや、2人目の出産ともなると、2人目の育休の際、保育所入所基準に従えば、第一子の退園を勧告されることさえある。
ここが選択の難しいところとも言えるだろう。
雇用条件は遥かに良くなってはいるが、結局、そのシステムを利用すれば、保育所の利用は困難となる。
ところで、筆者は以前、待機児童数の多い自治体で保育所入所に関するカウンセリングを行っていたのだが、その時の入所希望者と京都で知りうる入所希望者、同じ入所希望者なのに感覚的な違いを感じる。
働くことに対する意識の違い。
どちらが良いとか悪いとかではなく、カウンセリングに訪れていた入所希望者の多くは、キャリア志向の女性であった。だから、保活も出産前より始めているケースが多い。選考基準を知り、それに沿う様、育休中に会社と折り合いをつけ、事前準備をしているのだ。
何故なら、待機児童の多い地区とは、必然的に、周囲に頼れる親族がいない転勤族が多くなる。頼れるものがいないから、早期計画が必要なのだ。
それを思えば、わりに協力者が多いのだなと感じるのも、また京都の特徴といえるのかもしれない。
3.それでも就活が先?
入所基準の⑧には、求職活動中でも利用対象になるとある。
しかし、現状、空きのある園があれば、入所出来ますよというのがホントのところ。
途中入所も未だ、厳しい。
では、就職決定した際、年度内の途中入所の時期にあたった場合、どうなるのか?
認可外保育所の利用を考えねばならないだろう。
今年度より、企業主導型保育事業の助成が始まり、企業内保育の枠を空きがあれば、地域にも提供し、認可園とほぼ同様の金額にて保育してもらえることになった。
ただし、扱いは認可外保育施設となるため、入所の申し込み手順が認可とは違うということを補足しておく。
これを機に、企業が保育所を所有し、自社従業員の退職を防ごうという目論見なのだが…
残念ながら、京都市内には今日現在、まだ新たな設置予定の報告はない。
が、今年度最後の設置側第三期の申し込みが11月末までなので、もしかすると、入所結果の通知が届くころ、駅近くに地域受け入れ枠可能な企業主導型の認可外保育所が設置されている可能性はある。
求職者や途中入所を希望する場合は、こういった施設を利用しながら、認可園の入所申し込みを同時にかけておくとよいだろう。
認可外保育所は直接契約なので、こちらは情報のアンテナを常に張っておくとよいのかもしれない。
そして、今回の企業主導型保育は名の通り、設置主体が企業であることから、特色に富んだ保育所が設置されることもあり得る。
認可外だからと気落ちせずとも、運営は保育事業が運営するケースが多いので、目先を変えれば、充実した保育を受けられる可能性も無きにしも非ず。